アルミサッシの清掃は腐食を起さないうちに早目に行うことが必要ですが、清掃方法は汚れの程度と性質及び表面処理仕様(アルマイトか塗装か)によって異なります。

以下に述べることは標準的な方法であって、実際の作業はその場の状況に応 じて、これらの中から適当な方法を選び、あるいはこれらを適当に組合せて行わなければなりません。
a)軽度の汚れ
清水又は温水を用いて柔らかな布でふき取ります。5~10%のエチルアルコールを加えれば汚れの落ちが良くなります。
周囲の状況が許せば水でシャワー洗浄を行います。
b)普通の汚れ
中性洗剤(界面活性剤を主剤とするもの)の水溶液をスポンジ又は柔らかいブラシにつけてアルミニウム面を洗い、乾いた柔かい布でふき取ります。
これでほこり、すす、あかはもとより、鳥の糞などの普通のよごれは大抵除去できます。
c)ひどい汚れ
まず、普通の汚れの場合と同様に中性洗剤で洗い、それで取れない固着部分については次の方法で行います。
ペンキ、グリース、タール質などの油脂製の固着物はアルコール、ベン ジン、シンナーなどの溶剤を布につけて静かにこする取ります。
細かい研磨材入りのクリーナー、またはワックス其剤のクリーナー(専用の市販品がある)を柔らかい布につけてこすり取ると大抵の固着物は取れます。
特にひどい汚れは、陽極酸化皮膜を侵さない程度の薄い化学薬品入りの洗浄剤(市販品がある。防食剤配合のものがよい。)を柔らかい布につけてこすります。
この場合は直ちに清水で十分洗い、乾いた布でふきとり、角、隅、すき間などに薬剤が残らないように注意することが大切です。
d)頑固な固着物、変色、点食
研磨材の粉末または、研磨材入りクリーナーを柔らかい布または、摩擦用ブラシにこすりつけて取り、よく水洗いして乾燥させます。
この場合の研磨剤は、350メッシュ以上のアルミナの微粉を用います。普通のクレンザーは粉子が粗いのでアルミニウムの表面を傷付けます。
なお、研磨材を用いたあとは、クリヤー塗装して保護します。いずれにせよ、このような重度の清掃は作業も大変ですし、結果も思わしくない場合が多いようです。